滋賀県大津市のNPO法人 ALSしがネット/訪問介護事業所・居宅介護支援事業所 もも

2020.11.28 Aだより

11/22(日)

朝霜がおりていたとうKさんが教えてくれぬ信楽寒し
霜柱踏むのは楽しでも今は舗装ばかりで顔出せぬ地面
弟を尋ねてくれし夫より甥の海外出張を聞く
今日はいい夫婦の日らしプレゼントできるものなら吾の髪あげたい
森ゆりさんのビデオを見たる友の夫感激したと聞くはうれしき
信仰の先輩病重く苦痛の軽減平安を願う
マイクロソフトのアカウント作ろとしたけれどすでに作ってあったらしくて
パスワード記録がなくてわからずに再登録するハラハラドキドキ

11/23(月)

今朝召される姉妹の一生良いもので満たされらるらむ咎赦されて
悲しくてモーツアルトのレクイエム聞きて心を慰めおりぬ

11/24(火)

J師からみ言葉が来るテサロニケ第二3章16節の
どうか、平和の主ご自身が、どんな場合にも、いつも、あなたがたに平和を与えてくださいますように。
どうか、主があなたがたすべてと、ともにおられますように。
H姉にもそのご家族にも私にもきっと主は与えてくださる平和を
寒いなあネットを見れば甲賀市の気温は4度朝6時過ぎ
8時過ぎまだ寒いなり甲賀市の気温は依然4度のままで
STさんお休みだけどPTさん来てくれ手足のかたきを伸ばす
山を越えここに来れば温度計さらに下がると先生は言う
さつきかと見まごうほどの紅葉が花緑公園今盛りとふ
病院の玄関わきの緋もみじはいつしか風に散りぬと聞きぬ
首筋に留まりし髪を見つけ出し取ってもらいし時のうれしさ

11/25(水)

吾のような小さきものは祝福が必要なれど 大いなる者もまた
難病になりしは主からの懲らしめか しかし生かされ主のわざ語る
主が設けられし日々ゆえ楽しみ喜ばむいざ生けるものみな
首筋に髪あると言えばTさんは化粧ブラシで掃いて取るなり
シャンプーのブラシで洗ってもらう間に手の平こすられよい気持ちなり
シャワー浴順調にいきよかったがカニューレ交換の薬見つからず
ナース3人探しに探せば床頭台の横から落ちて隠れておりぬ
夜勤kさんアラームなれば呼ばぬ先に駆けつけ痰を取り給うなり

11/26(木)

ネットでは甲賀市は3度と表示さるでも信楽は―1度と
4時に目が覚め肩とうで寒くて寝付けず対策考え過ごす
呼吸器が外れアラームなってるのにナース二人は無視して便器
こんな時に限ってナースコールも使えない視線も場所が定まらず使えず
落ち着いて教えてというけれどアラーム見ればすぐわかるはず
呼吸器に視線を向けて訴えても分かってくれず苦しさが増す
時限爆弾見ているような恐怖感 泣くなというナースの鈍感
呼吸器は繋がれたれど苦しさはすぐには取れぬ脈拍高く
今日も死の恐怖味わういつ死んでもよいと思うにそのときは怖い
ドキドキを治めたいから教会の聖書と福音聞いているなり
牧師の声に心は凪ていつの間にか眠りに入る死もこのようか

11/27(土)

彼が体験するその時代の苦難に、光を与え、最終的に闇から光へと導くのは、
神の奇しき生命力への信仰だけであります。そのような信仰にとって、
その時の苦しみは、神の栄光を喜ぶために、どうしても必要な過程でもあります。
苦難も、死も、神の救いの業の一部であります。隠れたところで発芽し、
神の祝福あふれる収穫へと結実するのは、神の種です。そしてそれは、
神の約束言葉への信仰に他なりません(鳥井一夫・聖書の部屋より)
泣きながら種を蒔くこと吾はなしもっと切実な思いなくては
アブラハムがソドムのために執り成しし執拗さもち祈らむと思う
現代は待つこと難き時代ゆえ友の返信待ちわびるなり
リハビリの時に主治医が来給いてパソコン買い換えの話になりぬ
先生は「タワー」を使っているそうでそのよさ話すのは楽しそう
チュッバチャプスみたいにカラフルかわいらしZ姉作る手芸の花は
手間いりの花束見れば朝露が降りているようにビーズが光る
従弟から匂い袋が届くなり天花粉(てんかふん)のにおいと夫言うなり
小さき時お風呂上りにつけられし「てんかふ」の文字天花粉なり
天国を思わす字なりこの香り穏やかであり優しき香
感覚は残ると思い何贈るか思案の末の匂い袋よか
目も耳も味も痛さも寒暖も痒さも分かる吾ではあれど
呼吸器にたよる吾なれば鼻で息できず匂いは分からず悲し
けど従弟の気持ち嬉しくテーブルに置きてナースを楽しますなり
夜勤ナース懐かし匂いといいたもうやはりシッカロールの香りがするか

11/28(土)

早出ナース線香の匂いと驚きぬ火の気がありては大変ゆえに
白檀にあと2つほど混ぜてあると書いてありせばそれもうなづく
めづらしき人に見せむと黄葉(もみちば)を、手折(たを)りぞ我が来し雨の降らくに 橘奈良麻呂
病院の吾に見せむと落葉の黄色き道を撮りて送らる
かつて吾のいいたきことが伝わらずイライラした人今は優秀
側臥して腕下敷きにならぬよう、頭の痒さなど配慮嬉し

友人が書いてくれた「えつこさんとムラサキ公園」に大きな間違いが見つかりました。
本文28ページ3行目、「筋萎縮性側索硬化症」であるべき病名が、
「筋萎縮性脊索硬化症」になっていたのです。
点訳された本を読んでくださった盲学校の全盲の先生が気づいてくださいました。
私も校正に関わらせていただいたので、ALS当事者である私がもっと注意を払うべきだったのにと、
大変申し訳なく思っています。
お手元にこの本をお持ちの方は訂正をお願い致します。
奥様が読み聞かせボランティアをしておられるMさんにこのことをお知らせしましたら、
早速ご返事をくださり、関東地区の高校の同期の皆さんは
この本をお住まいの地域の図書館に寄贈しようと考えてくださっているそうです。
それを聞いてとても感激しています。
暖かすぎた日々が過ぎ、いよいよ本来の寒さになっていくようです。皆様ご自愛ください。
では、また。シャローム。

 

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