滋賀県大津市のNPO法人 ALSしがネット / 訪問介護事業所・居宅介護支援事業所 もも

ももだより 10号 2023.8

ももえです。私の一番気持ちよく落ち着けるのはお腹をさすってもらう時です。女主人の机がその場所です。たまたま男主人が高校野球を見ていました。最初は何か変だと思ったのですが、そのうち寝てしましました。男主人に『ありがとう』といいました。

痰の吸引や胃ろうへの注入が
必要な市民は年々増えています

長年の要望に応え2021(令和3)年9月医療的ケアを必要とする児童に限り「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行しました。0歳から18歳までの児童が対象です。
同じように18歳を超える医療的ケアを必要とする大人も増え続けています。
「訪問介護事業所もも」は現在4人の利用者さんに痰の吸引や胃ろうへの注入をしています。その間ご家族は家の用事やご自身のことができます。

 

医療的ケアのできる事業所を
増やしてと市や県に直訴!

6月21日京都新聞朝刊20面トップに「大津市医療的ケア児・者調査」 「介助利用3割 家族負担深刻」 「事業者の人材確保遅れ」「私いなくても困らぬ環境を」 「大津の母親 毎晩3回起き、授乳時のような生活」の見出しのもとにかなりのスペースを割いた記事が載りました。―その一部を転載―

在宅で生活し、日常的にたんの吸引や胃ろうなどが必要な「医療的ケア児・者」に対する大津市の調査で、ホームヘルパーや訪問看護師を利用する人がそれぞれ3割にとどまることが分かった。医療的ケアを担える人材の不足が主な要因で、ケアを担う家族は体の不調のほか、睡眠や余暇の時間が十分取れないなど、大きな負担を抱えている実態が明らかとなった。

 

三日月知事に要望

6月23日要望書を持参し次の要望書を担当係に手渡しました。

三日月大造知事様

大変お忙しいところ申し訳ないと思いつつ、6月21日付け京都新聞朝刊を拝見し、これまでお願いし続けてきた「医療的ケア児者への思い」を直接知事にお伝えしたく手紙を書いた次第です。
私は滋賀県難病連絡協議会の結成時から難病患者運動に参加し、ALS患者の実姉の介護を通して、現在は京阪三井寺駅近くで介護事業を仲間とともに営んでいます葛城貞三と申します。知事には、難病連の常務理事時代に何度かお会いし難病対策についてお話させていただきました。2008年3月出原逸三議長とともに滋賀の難病対策について話し合い大変お世話になり、当時角野文彦課長にはご苦労をおかけし、全国で初めて滋賀に「滋賀県難病対策推進議員連盟」が結成され難病対策は大きく推進されました。当時から医療的ケア児者への支援が課題となっており、滋賀独自のレスパイト入院支援策もそのころに実現されました。
しかしながら、京都新聞の記事の通り、医療的ケア児者の介護はその多くは家族に頼っている現実にあります。24時間365日支援を目指し、何とか家族に一時の安らぎを保障したいと2010年8月特定非営利活動法人ALSしがネットを立ち上げ、10月に訪問介護事業所ももを、翌年6月に居宅介護支援事業所ももを始めました。現実には目標の24時間365日の支援には届きませんが、記事中の浦川琴音さまの支援に月のうち数回、1回6時間程度のサービスを提供し、痰の吸引や胃ろうへの経管栄養の注入をさせていただいています。また他市のA様には月に70時間程度の医療的ケアの支援ができています。しかし、両ケースともたまたま当事業所のヘルパーの段取りができたからであって、常に応えられる状況にはありません。医療的ケアを必要とされるご家族の要請には応えきれずお断りしている現状です。理由は医療的ケアを担う訪問介護事業所が少ないからです。このことに滋賀県は早くから問題意識をお持ちで、如何に応えられるのか検討を重ねられてはいますが、現状は変わらず今日に至っています。
私共の要請に担当部課は応えていただき、本年2月6日には健康医療福祉部長室で関係職員がお集まりいただく中で当事業所の管理者福井アサ子が実態を話す機会を設けていただきました。部長様の『何かせなあかんなア』とのお言葉をいただき、期待に心を寄せています。
知事様、現状はこれ以上見過ごす状況ではないと思っています。打開の道を切り開かれんことを切に願っています。

特定非営利活動法人ALSしがネット
理事長  葛城貞三

 

野良猫を増やさないために

特定非営利活動法人ALSしがネットが水揚町に寄せていただいた当初から野良猫がいました。3匹の猫たちは不妊去勢手術(耳カット)がされていました。当法人の便りも“もも だより”と名付けているように猫好きの女主人が寄ってくる猫たちをほっておけず、世話を焼いています。

 

お世話された方を探しています

当地には以前から野良猫をお世話されている方がおられます。耳カットをした猫たちがいるのでわかりました。当地から野良猫を少なくするためにお役に立てればと願っています。 葛城貞三がご連絡をお待ちしています。 077-535-0055
お電話を頂けましたらお伺いします。動物と共生できる水揚げ町になればうれしいです。

イラストの猫は耳カットをしています。これは手術をした証です。カットした耳が桜の花びらに似ているので「さくら猫」と呼びます。
不妊・去勢手術をすれば猫はおだやかになり、人間社会で共生しやすくなるといわれています。
野良猫のお母さんは過酷な環境の中でお乳を与え子猫を守ります。母子共に大変な時期となります。不妊・去勢手術により一代限りの生を全うしてもらい、子猫が生まれることがなくなれば野良猫は減るのです。
不妊・去勢手術は猫を幸せにはしないが、不幸な猫を減らすことに繋がります。“ももえ”は耳カットをしています。ご近所には思いを同じゅうする方がおられます。ご連絡をお待ちしています。

 

 

編集後記

仕事をしていて直に体験しているのは介護人材の不足です。「訪問介護事業所もも」のヘルパーの平均年齢は69歳です。最高齢は私の84歳です。なぜヘルパーが不足するのでしょう。仕事のわりに介護報酬が低いからです。介護報酬を増額すると、介護を受ける利用者さんの利用料が上がるのです。“もも”はこの仕組みに反対です。できるだけ利用者の負担が少なくなるように努力しています。

 

ご相談はこちら

介護でお困りの方、障害や難病でお困りの方、医療や年金、生活などで相談したい方、どうぞご遠慮なくご相談ください。社会福祉士、看護師、介護福祉士等の職員が対応します。

ところ:大津市浜大津三丁目2番31号
岩波整形外科医院さんと大橋豆腐屋さんの中ほど。小さな“もも”の看板があります

電話: 077-535-0055
(事務所が開いていない時も携帯に転送されます)

FAX: 077-535-0007
メール:kaigo.momo2@ares.eonet.ne.jp

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