滋賀県大津市のNPO法人 ALSしがネット/訪問介護事業所・居宅介護支援事業所 もも

ももだより 7号 2022.11

ももえです。 今日は2つのご案内です。10月の下旬から咲き始めた「エンジェルストランペット」の紹介と我が法人の理事長の紹介です。
私が言うのもおこがましいですが、理事長葛城貞三は83歳という歳のわりに若く見えます。日に7000歩を目標に歩いているそうです。読んでやってください。

理事長の紹介です
難病と関わって50年

1976(昭和51)年妻が重症筋無力症という難病に罹ったことがキッカケで1984(昭和59)年9月滋賀県の難病患者の患者会、滋賀県難病連絡協議会を仲間と一緒に結成しました。当時は18疾患が医療費の助成の対象でした(今は361疾患が医療助成対象)。難病患者をとりまく環境は整っていなく多くの患者・家族は困っていました。患者会ができてからは主に滋賀県に対し毎年要望書を提出し交渉を重ねてきました。

次のキッカケは2001(平成13)年に実姉がALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病に罹ったことで、2007(平成19)年3月ALSの患者会、日本ALS協会滋賀県支部を結成しました。姉の介護を通じて世話をする家族の支援をしなければ在宅生活が成り立たないと、2010(平成22)年10月“もも”すなわち特定非営利活動法人ALSしがネットをつくり、“訪問介護事業所もも”を始めたのです。

難病患者と関わっておおよそ50年近くの間に、二つの思い出と一つの懸念があります。

思い出の一つは、2008(平成20)年10月滋賀県議会議員38名で滋賀県難病対策推進議員連盟(難病議連)を作って頂いたことです。それまで患者会(滋賀県難病連絡協議会)と滋賀県行政はギクシャクしていました。それが難病議連ができてからは共同の運動に変化しました。もう一つの思い出は、2010(平成22)年に特定非営利活動法人ALSしがネット(通称:しがネットもも)を作って、重症難病患者支援を始めたことです。多くの難病患者さんと日々お付き合いをしています。神経難病の多くは進行し、死に至る病気も少なくありません。ALSの実姉も4年と11カ月で亡くなりました。姉は気管切開をして人工呼吸器を付けて孫の行く末を見たいと実弟の私に語っていました。家族にも地域にも姉の介護を支える介護体制が作れませんでした。4年11カ月の闘病生活を経て、私が介護する目の前で息を引き取りました。

一つの懸念は、姉の死と関わるのですが、呼吸器を付けて生き続けたいと願っていても、介護する体制が整わず、亡くなる患者は今も変わりません。しがネットももは事業を始めて12年になりますが、この間に21人の患者さんに医療的ケアを提供してきました。今も5人の患者さんに痰の吸引や胃ろうの注入をさせて貰っています。しかし、ヘルパーも歳を重ねてきました。昼夜を問わず、夜中も支援できるヘルパーは限られています。今の大津市で医療的ケアを家族に代わってやれる事業所は非常に少ないです。安心して在宅療養ができる環境にありません。今、当法人は大津市や滋賀県に医療的ケアのできる事業所を増やして欲しいと要望しています。(文責 葛城貞三)

 

一人暮らしでも安心して住み続けられる地域に

ヘルパーKがSさんのお宅を訪問し、呼び鈴を押しても反応がありません。Kは心配しました。事業所に連絡し、塀を乗り越えてでも中に入ろうと、お隣さんに声をかけ高い塀を乗り越え、幸い開いていた裏の戸を開け入りました。うつ伏せに倒れ、かすかに息をしているSさんを見つけました。救急車で病院に。後刻昨夜に倒れられ、見つけるまでの12時間倒れたままだったことが分かりました。幸いかな命に別状はなく入院されました。事業所としても対策を考えねばと考えています。

 

コロナから身を守るには

これまで経験したことがない感染の拡大が起こっています。発熱外来は、発熱や咳などの症状をを訴える人で大変な状態と言われています。PCR検査体制や抗原検査キットの無料配布等かねてから言われていることがなされていないもとで、経済活動を優先的に進めていった結果が今日の状況を生み出されているのではないでしょうか。

我が事業所でも、濃厚接触者となり迷いながらの対応を余儀なくされています。お互いに下記の申し合わせ事項を確認しあっています。

  1. 事務所に着たら、まず手洗いとうがいの励行。
  2. 手や指のアルコール消毒の励行。
  3. こまめな換気(猫のももえが出入りしますので、常に換気ができていますが)。
  4. マスクの着用(散歩のときは、手に持っていますが付けていません)

 

 

編集後記

気になっていることがあります。2024(令和6)年の見直しに向けて介護保険の検討を財務省や厚生労働省がしています。12月にも結論が出される予定です。見過ごせない問題があります。

今9割の方が1割の利用料負担ですが、それを2割負担に増やそうとしています。それに、これまで居宅介護支援のケアマネジメントは自己負担ゼロでした。それを利用者負担にしようと検討されているのです。まだあります。要介護1,2を保険から外そうとしています。

介護保険料も当初と比べたら2倍強になっているのに、介護サービスを利用すると利用料を払はなければなりません。それが大幅に上がるのです。

ALSしがネットは利用者さんの負担が増える介護保険改定に反対です。

75歳以上の医療費窓口負担が10月から2倍になります。物価高の中での年金削減は高齢者に大打撃です。その上の介護の負担増です。

事務所の玄関に「病気になっても生涯、安心して生活できる豊かな医療と福祉の社会の実現」のための署名用紙をおいています。署名にご協力いただければ嬉しいです。

 

この花がエンジェルストランペットと言います。

調べてみますと日本に持ち込まれたのは江戸時代で、毒性があり麻酔などに使われていたそうです。学名はブルグマンシア属でエダチチョウセンアサガオとも呼ばれ、ナス科の一つだそうです。(写真は“もも”の駐車場の入り口に咲いた花です)

 

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介護でお困りの方、障害や難病でお困りの方、医療や年金、生活などで相談したい方、どうぞご遠慮なくご相談ください。

ところ:大津市浜大津三丁目2番31号
岩波整形外科医院さんと大橋豆腐屋さんの中ほど。小さな“もも”の看板があります

電話: 077-535-0055
(事務所が開いていない時も携帯に転送されます)

FAX: 077-535-0007
メール:kaigo.momo2@ares.eonet.ne.jp

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